俺たちの妹・2
ピピ、ピピ、ピピ

体温計が鳴り、葵は私から抜き取るとそこに表示されている数字を見て、驚いていた。

「みぃ、今辛いよね?」

「…………」

「怠いだけ?」

「今のところは……」


これからどうなるかは分からない。

「みぃ、結構熱あるよ。今から病院行こっか」

そう言って、私の部屋から出て色々用意し始めた葵。

置いていった体温計をそっと覗いてみる……


37.9……


はぁ………

なかなかの数字だった。


発熱を実感してしまうと、今まで我慢出来ていた事が辛く感じてしまうのはどうしてだろう……



「起き上がれる?」

葵の問いかけに頷いて、体を起こすとグラリと視界が揺れた。

「っっ………‼︎」

思わず目を瞑る。

「みぃ?大丈夫?」

「……ぐるぐるしてる」

大丈夫とは言えなかった。

「今日、病院にひな兄居たっけ?」

「出張中だ……」

そう、ひな兄には珍しく昨日から出張に行っている。

「司さんは?」

「……今日はお休み」

つーくんは久しぶりに桜とお出かけしてるはず。

だから、私の事で中止にして欲しくない。

「誰かいないのかな………あ、大和さんいるじゃん」

そう言って、電話をし始めた葵。

まとくんと葵って知り合いだったのかな………
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