俺たちの妹・2
まとくんの明るい声に少し気持ちが落ち着いた。

葵も側にいてくれてるし、大丈夫……


「よし、じゃぁ診察するね。みぃちゃん椅子に座れるかな?」

にっこり笑うまとくんからは優しさが伝わってくる。

「うん」

そう言うと葵はそっと椅子に降ろしてくれた。

でも、倒れないように後ろに控えてくれてるけど……

「みぃちゃん、今どんな症状なのか言える?」

「怠さと発熱と、目眩」

「それはいつからかな?」

「怠さは……今朝から……」

そう言うと、葵の視線が痛かった。

「発熱と目眩は、さっきから……」

「わかった。ありがとね」

そう言ってまとくんは、パソコンに打ち込んでいく。

「よし、じゃぁ診察始めるね。少し服捲れる?」

そう言いながら聴診器をつけ始めたまとくん。

少し服をあげると、そっと聴診器が入ってきた。

ゆっくり丁寧に聴診しているのが分かる。

「喘鳴は聞こえないから大丈夫だよ。でも少し熱があるから、しっかり治そうね」

「まとくん……」

「ん?」

「忙しいのに……ありがとう」

ここは、いつも葵に言われてる、『ごめんね』じゃなくて『ありがとう』だよね……


「ふふ。みぃちゃんの為ならいつでも時間作るよ」

「そんなのダメだよ。まとくんの時間、大切にしないと……」

私の為に時間を作ってもらうのはほんとに申し訳ないから……


「大丈夫、いつも日向のお陰で楽させてもらってるから」

そう笑うまとくんは、悪戯っ子みたいだった。
< 350 / 612 >

この作品をシェア

pagetop