俺たちの妹・2
「よし、じゃぁ点滴やっちゃおうか」

そう言って、点滴の準備を始めた、まとくん。

点滴か………

「大和さん……点滴、得意な方ですか?」

「え?どうして?」

「司さんやかな兄達から聞いてませんか?みぃの点滴話」

「ん?聞いてないけど……」

まとくんの言葉に思わず葵と顔を見合わせてしまった。


「あの……みぃの血管、細くて薄いみたいなんです。
結構看護師さん達、失敗してて……」

「そうなんだ……でも大丈夫だよ。俺の患者さんでも、細い人沢山いるから」

そう言って、私の腕を見たまとくん。

「うん、大丈夫。みぃちゃん安心して?」

そう言ってにっこり笑ったまとくん。

信じてない訳じゃないけど………痛くないかな……?

「じゃぁ、準備するね」

そう言って、テキパキと準備をしていくまとくん。

「みぃちゃん大丈夫だからね。緊張してると痛くなるから力抜こうか……」

そう言いながら腕をさすってくれるまとくん。

それでも緊張しちゃうよ……

そんな私を見てか、まとくんは一度手に持っていたものを置いて、私の目線より下に合わせてしゃがんでくれた。

「みぃちゃん、大丈夫だよ。今まで痛い思いもしたと思うけど、今回は俺の事信じてみて?」

まとくんの優しい言葉に心が暖かくなった。

「まとくん………頑張ってみる」

「みぃちゃん………ありがと」

そう言って頭をポンっと撫でてくれた。
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