俺たちの妹・2
点滴のおかげで吐き気が少しマシになった彩の顔色は少しマシになった。

「彩ちゃん、辛いと思うけど何も飲めない、食べれない状態は彩ちゃんにとって悪いことだし、ツワリを悪化させる事になるから、今回みたいな事になったら、迷わず病院においでね?
とりあえず、明日から3日、点滴毎日受けにきてね」

「分かりました」

「それで、水分をキチンと取れるようになったら、3日に一回の点滴にしよう。
良くならなかったら、少し入院しようか……」

「…………入院?」

入院と聞いて不安になった彩。

「彩ちゃんと赤ちゃんを守るための入院だよ」

「そっか………彼方、迷惑かけてごめんね」

「彩、迷惑なんて思ってないよ。俺にとったら彩も赤ちゃんも大事な存在だからね。今は赤ちゃんより彩の方が重症だよ。だから無理はダメなんだよ」

「………分かった。私、頑張るね」

「今も十分彩は頑張ってるから、今のままでいいんだよ。彩がいるから赤ちゃんも育ってるんだしね」

「……………彼方、ありがとう」

彩はそう言ってくれたけど、正直辛そうだ。

「彩、吐き気はどう?」

「家にいる時よりはマシになったよ。これなら頑張れそう」

「飲めそうなら水分、少しだけ口に含んでみよっか」

祐樹の言葉に固まる彩。

「……………いま?」

「今は無理そう?」

「分かんない………」

「そっか………無理する事ないからね」

「今はやめとこうかな………」

「分かった。じゃぁ、家に帰って気分
が落ち着いたら一度水分含んでみてね」

「はい」
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