俺たちの妹・2
受け答えが出来るようになっているから、彩も気分的に少しはマシになっているんだろう。

でも無理強いは良くないから………


彩の気持ちが最優先だからね。


「ついでにこのまま内診しちゃおうかな。赤ちゃん元気か診てみるよ。
彩ちゃん内診台に移動できる?」


「はい」

そう言って、彩はベッドから起き上がろうとしたんだけど………




ポスッ………





一度起き上がった体が再びベッドに舞い戻った。


「彩ちゃん、貧血出てるかも……」

そう言って、祐樹は彩の下瞼を下ろした。




真っ白………





そりゃそうなるよ。


「彩ちゃん、貧血結構出てるから、急に立ち上がったり起き上がるの禁止ね。倒れたりしたら、彩ちゃんだけじゃなく赤ちゃんも危ないからね」

「……………分かりました」


自分の体に起こってる事が理解出来てるんだろうな……

「彼方、内診台まで運んであげてくれる?」

「分かった」

俺は彩を抱き上げて、内診台へ運んだ。

「彩ちゃん、今日は安静にしてて欲しいから、看護師に下着脱がせてもらうね」


「…………はい。すみません」

「いいのよ。ママの体が大事だからね」

青山さんがそっと下着を脱がせてくれた。

「ありがとうございます」

「いいのよ。赤ちゃん久しぶりに見るでしょ?楽しみね」

「はい」

彩と青山さんは楽しそうに話しをしている。


「ほんとは、彼方は外に出て欲しいんだけど、今日は彩ちゃんの貧血酷いから特別一緒にいていいよ」

「ありがとう」

祐樹の配慮に感謝だな……




「じゃぁ、彩ちゃん内診始めるね」


彩の内診が始まった。
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