俺たちの妹・2
「葵は………」

「ん?」


「ううん、なんでもない。……….彩さん大丈夫かな…」



『葵は、いつか子どもが欲しいと思ってる?』


何だか簡単には聞けなかった。




「みぃ?」

葵は、突然私に向き直った。


「なぁに?」


「俺はね…………今すぐじゃないけど、


いつか…………








欲しいとは思ってるよ。








俺たちの赤ちゃん」



「え?」




どうして葵は私の聞きたいことが分かるんだろう………



「みぃの負担は、いつも最小限に減らしたいって思ってるんだけど………
色々将来の事とか考えてたら、いつかは……っては思ってしまう俺がいる。

みぃは辛い思いをするかも知れないし、俺は側にいることしか出来ないんだけど、生まれてきたら、俺も一緒に育児するつもりだし、みぃにはいつか………
そう思ってる」

「葵……」

「って言っても、俺が研修医卒業してからだから、当分先の話だけどね」


葵は、はにかみながら話してくれた。


正直葵がそこまで考えてくれてるなんて思ってなくて驚いた。





「葵は…………私でいいの?」


「もちろん。俺はずっとそのつもりでいるからね」


なんだか………


プロポーズみたい……

「葵、ありがとう」




「……………なんか、俺どさくさに紛れてとんでもない事口走ったかも」

葵は自分の言った言葉に照れている。


「でも嬉しかったよ」

そう思ったのは本当の事。

「俺の言った言葉に嘘はないからね」

葵の言葉に再び心が温かくなった。


「とりあえず、明日迎えに行くから一緒に彩さん迎えに行こう?」

「わかった。待ってるね」

葵は、照れながら帰っていった。
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