俺たちの妹・2
彩さんの妊娠が分かった時はこんな事思わなかったのに、今になってどうしてあんな事思ったんだろう……


でもそのおかげで、葵が思ってた事が分かって、良かったかな……

この日は久しぶりにぐっすり眠れた気がした。




次の日、葵は朝から笑顔で迎えに来てくれた。



この笑顔が見れるなら、自分は辛い思いをしても、笑顔を見れる様に喜ばせてあげたいな……

そう思った自分がいた。




「みぃ、おはよ。かな兄の家に行こうか」

「うん。彩さん大丈夫かな……」

「ツワリで点滴通うってよっぽどだと思うけど……」


確かに、ツワリって言葉は良く聞くけど、ツワリで入院なんてあまり聞いた事がない……

それに、いつも元気な彩さんが点滴に通うぐらい弱っているのも信じられない。

やっぱりツワリって恐ろしい………





ピンポーン

葵が、かな兄の家のインターホンを押した。

「はぁい」

出てきたのはかな兄で、彩さんの姿はなかった。

「悪いな二人とも」

かな兄は、申し訳なさそうに言葉を紡いだ。

「大丈夫だよ。それより彩さんは?」

「ん、今格闘中………」


かな兄も苦笑い。

「点滴してもらったから楽になってるんじゃないの?」

私は思わず聞いしまった。

「うん、夜中まではなんとか吐くことなくなってたんだけど、朝起きたらダメだったみたい……」

ずっとある吐き気って………辛いよね。

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