俺たちの妹・2
それから、病院へ向かってる道中も彩さんは戻してしまって………

病院へ着く頃には既にぐったりしていた。


病院へ着くと、葵は車を停めて、彩さんを抱き上げて病院へ入っていった。


慣れてる動作を見て、そう言えば私もよく病院へ連れてこられてるもんね……

と思い返した。


私は葵の後を追いかけて、受付を済ませた。

「あら、みぃちゃんじゃない。どうしたの?」

病院に通い過ぎて、看護師さんの殆どの人は知っている。


好意を向けてくる人、避ける人、様々だけどね………



「青山さん、おはようございます。
今日は付き添いなんです」

「あら。みぃちゃんが、付き添いなのね」


ふふふ……と青山さんに笑われたけど、今日は付き添いなんだもん。


「青山さん、彩さん辛そうなの……」

「あら、彼方先生の奥様よね?そっか、みぃちゃんと彼方先生はご兄弟だったわね。昨日も点滴にいらしてたけど、通うのは厳しそうね………」

「家から車に移動しただけで戻しちゃってた。ツワリってあんなに辛いものなの?」

思わず青山さんに聞いていた。

「人によるのよ。ツワリが全くない人もいるし、食べないと気持ち悪い人もいるの。人それぞれなの…………
みぃちゃんも興味ある?」

「ふふ、少しだけね」

「そうなの?そしたらいつかみぃちゃんの赤ちゃん取り上げたいわ」

と急にやる気になった青山さん。

「あ、でもまだまだ先の話だよ」

「ふふ。分かってるわよ。いつかそうなったら来てね」

「はぁい」

「あ、奥様ベッドで寝かせてあげましょう。あのままじゃ辛いはずだから」

葵に抱きかかえられている彩さんを見て青山さんは言った。
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