俺たちの妹・2
車に乗せられて、司の運転で病院へ向かう。


「桜、もし気分悪くなったら言ってね」

そう言って、運転を始めた司は、ゆっくり車を発進させた。


しばらく車の振動に揺られていると、少しだけ気分が悪くなった……


「桜?」

信号待ちで止まった時に司に見つかってしまった。


目を開くと

「気分悪くなっちゃった?」

私の気持ちを瞬時に理解できちゃう司は凄いと思う。



それにつられて小さく頷いた。

「吐きそう?」

「だい、じょぶ」

正直、吐くことに慣れてないから、あまり吐きたくない。

「………もし吐きそうになったら、ここに出していいからね」


常備されているバケツを渡された。

「ありがと」

私の言葉を聞いて、司は再び車を運転し始めた。


なんとか病院まで持った吐き気。

車に酔っただけかな………

でも、それに耐えることで残っていた体力を使い果たしてしまって、車から動けなくなってしまった。


「桜着いたよ。頑張ったね」

そう言いながらそっと抱き上げてくれた司。


家ではあんなに拒んでいた点滴も、この怠さと寒さがなくなるなら、してもいいかな……なんて思ってしまっている程だった。
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