俺たちの妹・2
「大丈夫だよ。司さんと救急外来の小林先生が診てくれてるから。でも、当分入院になるかな……」

「だよね………でも最近体調があまり良くなかったみたいだし、その方が安心かな……」


「やっぱり葵も気づいてた?」

「みぃから聞いた訳じゃないけどね」

「司さんもそろそろ入院の話を出そうと思ってたみたいでさ。季節の変わり目だし、美晴には辛い時期だしな……」

俺とひな兄は、救急外来の処置室の扉の前でみぃが出てくるのを待っていた。



「葵っっ」

突然司さんが出てきて、呼びかけられた。

「はい」

「みぃをここへ運んでくる前の体温分かる?」

「38.6℃です」

「ありがとう。助かった」

「あの」

「ん?」

「みぃ大丈夫ですか?」

「体温が上がってるし、発作もいつ出てもおかしくない。はっきり言ってあまり良くないな」

「わかりました」


俺の言葉を聞いて、司さんは処置室へ戻っていった。



「体温測ってくれてたんだな」

ひな兄の声に顔を上げる。

「みぃ、俺の前で気を失っちゃったから念のためにと思って」


「ほんと葵には感謝しかないな」

「感謝なんて……」

感謝される様な事何もしてない。


「短時間の間に熱がどれだけ上がったかによって治療とか変わってくるからさ……」
< 405 / 612 >

この作品をシェア

pagetop