俺たちの妹・2
「ケホケホ……」

俺が色々考えていると、少し咳き込み出した美晴。


「美晴?」

「ケホ……ひな、にぃ……」

「ん?」

「あ、おいに、会える?」

俺しか見えていない美晴は、葵が反対側で側にいるにもかかわらずこんな事を聞いてきた。

「会えるよ」

そう言って、視線を葵に向けた。

釣られて、美晴の視線も自然と同じ方向へ……

「っっ‼︎…あ、おい………あの…………ごめんねっっ」

葵を見つけた途端、謝った美晴。

「どうして謝るの?」

葵はキョトンとしている。

「勝手に、飛び出して……驚かせて、ごめんね……」

美晴の言葉に葵は優しく微笑んだ。

「ふふ。確かに驚いたけど、謝る程じゃないよ。でもみぃ……これからは不安になったら溜め込まないでちゃんと教えて?俺はいつても相談乗るし、みぃの周りには頼れる人沢山いるんだからね」


「うん………」

美晴は、素直に頷いてくれた。


「みぃ、苦しくない?さっき咳き込んでたけど……」

俺も気になってた事を葵はすかさず聞いてくれた。


「ケホ……大丈夫。発作、じゃない、から……」


「美晴、苦しいだろうから、酸素は付けておこうな」

「うん………」


俺は美晴にそっと酸素を付けた。


すると美晴はゆっくりと目を閉じた。


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