俺たちの妹・2
『みぃ……悩まないで。ひな兄や司さんより頼りないけど、俺も力になるからさ』

ふと聞こえてきた言葉。


そんな事思わなくていいのに………

そう言いたいのに体が睡魔に負けて動かない。



『俺はいつでもみぃの味方だよ』

手をそっと握って、嬉しい言葉をくれているのはきっと葵だろうな……


フワっと髪を撫でてくれた。


『みぃ、俺から離れていかないで』


悲しい言葉を言わせているのも私だった。

起きなくちゃ。

葵に伝えたい言葉があるの。


キュッと葵の手を握り返した。



『みぃ?起きてるの?』

まだ起きれてないけど、気持ちは起きてるよ。


重い瞼をゆっくり開けると、目の前に葵がいた。

「あ、おい……」

「ん?みぃ、おはよ。よく眠れてたみたいだね」


葵は、私の手を握ったまま、にっこり笑ってくれていた。



「ん……いつの間にか眠ってた……
葵、あのね……」


「ん?どした?」



言わなくちゃ……これからの事。


「私ね…………」

「うん」

葵は私の言葉を待ってくれている。


「もしかすると…大学辞めないといけないかも知れないの」

「…………え?ほんとなの?」

「うん、次、長期入院になったら辞めると思う」

「そっか〜」


葵は、一瞬だけ驚いた表情をしたけど、直ぐに私に向かってにっこり笑ってくれた。


「だからね。私の隣にいると大変だよ。
大学生活も一緒に送れなくなっちゃうし、私は葵がイヤな思いするのも嫌なの」
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