俺たちの妹・2
少し冗談交えて言ったんだけど……





「もちろん。ずっと側にいるよ……」


葵から思いがけず、嬉しい言葉をもらった。


「葵、ありがとう」






それから暫く入院生活は続いたけど、体調も回復してきて、退院の目処がついたのは、入院してから一ヶ月過ぎた頃だった。

その間、葵は時間を見つけて私の病室に来てくれて、穏やかな時間を作って話し相手になってくれた。


やっぱり葵は、かけがえの無い存在だと改めて思った。







「みぃ。忘れ物はない?」

「うん大丈夫」



漸く退院の日。

忙しい中、時間を作ってくれた葵。

ひな兄は、夕方には帰ってこれるみたい。

夜には、かな兄と彩さんとも合流する予定。

彩さんのツワリも漸く治り、今はマタニティーライフを楽しめるくらい回復していて、私の病室にもお見舞いに来てくれたりもしている。



「じゃぁ、行くよ?」

そう言って、荷物を全部持ってくれてる葵。

私は……ゆっくり立ち上がり、目眩が起きないか確認して、葵の隣に並んだ。


私の動作をじっと待ってくれていた葵は手を差し伸べてくれた。

キュッと握ると、ゆっくり廊下を歩き始めた。
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