俺たちの妹・2
「それで、そんな話をする為に切り出したんじゃないだろ?」

かな兄の言葉にみんなの視線は司さんへ向く。


「みんなの反対を押し切って行った大学で、やりたい事見つけれたのか聞いたんだ」

みぃのやりたい事………


いつも俺の応援をしてくれるみぃからは、自分のやりたい話なんて聞いた事なかったな。


「きっと、彼方と日向にはみぃから話すと思うけど、一応耳に入れとくよ」

「ありがとな」

「彼方の仕事を家で手伝いたいんだって」

「俺の仕事?」

「彼方の仕事って言うより、みぃの家の会社が展開してる仕事じゃないかな」


みぃ、そんな事考えてたんだ。


「職場へ通勤する仕事だと体力が持たないってのは、今回の大学生活で、実感したんだと思う。だからこそ出てきた発想なのかもな」

司さんの言葉に、妙に納得してしまった。


「みぃは、仕事なんてしなくていいのにな……」

かな兄の言う事は最もだと思った。


特に家庭が困ってる訳でもないし、家でゆっくりしながら自分の好きな事をすればいいと思うのに……

「学校に行かなくなって、家にずっと居たら、世の中との接点がなくなって、切り離された気がするもんな」

司さん苦笑しながら言葉を発した。


「学校って、色んな人と知り合えて交流出来るいい場所だもんな」

かな兄もみぃの気持ちを分かっている。




俺達にとって当たり前に通っている学校にはそんな魅力があったのか……


俺は入院をした事もなければ、自宅安静もした事がない。

世の中から切り離されたって感じる経験をした事がないんだな……



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