俺たちの妹・2
痛みに耐える彩さんの声を聞いていると、こんなに痛がってるのに、まだ病院へ行かなくて大丈夫なのか心配になってきた。

陣痛の合間を縫ってかな兄に話しかける。


「かな兄……」

「……ん?どした?」

かな兄は、今の合間に彩さんにシャワーを浴びる様に言っていた。

「彩さん、痛そうなのにまだ病院に行かないの?」


「今行っても、帰らされると思うからね。陣痛が10分感覚になったら行くよ。病院まで近いしね」


「わかった。私に出来ることある?」

「じゃぁ、おにぎりかサンドイッチ作ってくれる?彩の腹ごしらえに食べさせたいから」

「分かったっっ‼︎」

私はかな兄の言葉に意気込んで答えた。


私にもできる事があるって嬉しいな……

側にかな兄が居てくれて、私も彩さんも凄く安心出来た。

やっぱりかな兄は心強い存在だった。





もうすぐ赤ちゃんに会えるのは嬉しい事だけど、

二人の姿を見ていると、私もいつかこんな経験をするんだろうか………

と少し不安になった。

こんな長い時間、痛みに耐えるんだ……
とか、凄く痛そうとか、考え出したら


少し……そう少しだけ怖くなった……


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