俺たちの妹・2
「みぃ、そろそろ病院へ行こうと思うんだけど」

かな兄が、声を掛けてきた。

「私も一緒に行く」

「じゃぁ、荷物を持ってもらおうかな」

かな兄は少し驚いた顔をしたけど、優しく笑って答えてくれた。


車の中でも彩さんは陣痛に襲われていて、痛みに耐えていた。


病院へついて、かな兄は彩さんを支えながら院内へ入っていった。

これから、赤ちゃんが生まれて来るんだ……




「美晴」

突然、ひな兄の声が聞こえた。


「ひな兄………彩さん、辛そうだった……大丈夫かな」


ひな兄の姿を見たら安心しちゃって、思わず不安がこぼれ落ちた。


「大丈夫だよ。美晴もビックリしたんだね。荷物、持つよ」

そう言って荷物を持ってくれたひな兄。





「美晴?どこか辛い?」

ひな兄の言葉にハッとした。

不安が顔に出てたかな……


「ううん、大丈夫。彩さんが心配で……」

「美晴、大丈夫だよ。彩さん辛そうだけど、今から赤ちゃんを産むために頑張らなきゃならない時なんだよ」


そっか……

赤ちゃん産むために頑張る時なんだね。


「………そうだよね。私がちょっと怖気付いちゃって」



でも次なのひな兄の言葉に驚いた。

「ふふ、みぃは出産する所見た事ないもんな」

「え?ひな兄はあるの?」

「俺と兄貴は美晴が生まれてくる時にね、一緒に立ち会ったんだよ」

私が生まれてくる時、側に居てくれたんだ……

そう思うと、凄く暖かな気持ちになった。
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