俺たちの妹・2
彩さんの気持ちも落ち着いたところで、兄貴と一緒に家を出た。


「日向、患者さん落ち着いてる?」

兄貴は運転しながら聞いてきた。

「殆ど落ち着いたよ。急変されると分からないけど…」

「まぁ、確かにな………取り敢えずは俺がついてた方が良さそうだな」

「兄貴、仕事は?」

「みぃの体調の方が優先だよ。俺の仕事は、家や違う場所でも出来るしね」


こういところが、兄貴の凄いところ。


看病しつつ、他の仕事をするのはなかなか難しかったりするんだけど、サラッとやってのけるんだろうな……


「少し落ち着いたら帰れると思うけど、その時は彩さんの負担にならないかな?」

「彩は、みぃの役に立ちたいって思ってくれてる1人だから、大丈夫だと思うよ。休める時間作ってあげれるように、早く帰ってるしね。その時に俺は新を預かって彩が休める様にはしてるから……」

彩さんは、初めての子育てで不安もあるだろうけど、兄貴の子育ての協力のお陰か、美晴と一緒に過ごしていたからか、大変ながらも楽しんでいるように感じていた。

でも実際は彩さんにしか分からなかったりする……

「それならいいんだけどね……」

「日向は彩の心配もしてくれてるんだな。ありがとな」


こんな話をしているうちに、病院へ到着した。
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