俺たちの妹・2
「でも、医学生の一回生で出来るとこまでだよ。それ以上はやってない」

「当たり前だろ?それ以上やらせたら俺が怒られる」

葵の言葉に思わず突っ込んだ。

「それもそうですね」

楓が吹き出しながら笑った。

「楽しそうな先生で良かった」

杉山くんの言葉にいち早く反応したのは葵だった。

「診察中は厳しいよ。さっき前園さんも『しっかりしごかれて学んでね』って言ってたし」

耳打ちしたのはその言葉だったのか……

「人の命を預かってるんだ。当然だろう?医学生でも、医者でも、白衣を着たら、患者さんからしたら一緒だからね」

「でも診察が終わると優しいよ。何でも答えてくれる」

楓とも仲良くなったしな…

「俺も、よろしくお願いします」

「もちろんだよ。葵と楓の友達に悪い奴はいないだろうしね。よろしく仁」


それから、外来が始まった。


葵は流石だな。

前園さんも驚いてた。

楓も仁も俺の技術を盗もうと必死に実習に取り組んでくれた。


昼休憩に入ると、三人はぐったりしていた。


「ハハハ。まぁ、初日はこんなもんだよな。昼休憩、しっかり休めよ〜。終わったら、またこの診察室に集合な。この後は検診の人がやって来るから。あ、葵、この後みぃも来るからよろしくな」

「わかりました」
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