俺たちの妹・2
コンコンコン

「はい、どうぞ」

お昼過ぎにみぃがやって来た。

「こんにち……え?どうして?」

ドアを開けると、葵と楓が居ることに驚いてる。

「実習先、ここの病院でさ、受け持ってもらう先生が司さんだった」

「そうなんだ。こんな偶然あるんだね」

みぃは、にっこり笑いながら診察室に入ってきた。

「みぃ、座ってね」

「はぁい」

いつも通り診察を進めていく。

検温、血圧、聴診、貧血具合、脈拍……

少し、脈が早いな……

「みぃ、息苦しくない?」

「……うん、大丈夫だよ」

これで大丈夫なのはおかしいと思うけど、みぃも戸惑っているから、本当なんだろうな……


「う〜ん、ちょっと脈が早いんだよね……みぃは大丈夫でもちょっと心配だから、少し検査してみようか……」

「ひな兄にも似たようなこと、朝言われたからそんな気がしてた。私良くないのかな……」

不安そうなみぃ。

「大丈夫だよ。念のためだからね」

「うん…………」

俯いたみぃ。

みぃの不安を煽ってしまったかも知れない。

「みぃ、大丈夫。俺も一緒に居るから。みぃは一人じゃないよ」

葵の言葉にふと顔を上げたみぃ。

「葵も一緒に居てくれる?」

「もちろん」
< 488 / 612 >

この作品をシェア

pagetop