俺たちの妹・2
「つーくん………頑張るよ」

「良かった。じゃぁ、いくつか検査するからね」

「ん。分かった」

みぃは不安なのか、服の裾をキュッと握った。


みぃの後ろに立った葵は、そっとみぃの肩に触れた。



ポロッ

みぃの目から零れ落ちた涙。

それを見た、周りにいた俺たちは驚いた。

「頑張るね」

「無理しちゃダメだからね」

葵は、みぃの不安が分かっていたのか後ろからそっと抱きしめた。





「いつ見ても絵になるな〜……」

「毎回こんな感じ?」

「高校の時から変わらないよ」

「マジか……俺高校の時、あんまり関わりなかったからな〜」

「俺も大学入ってからだけどな」

「そっか。俺も仲良くなれるチャンスがあるって事か」

「……みぃちゃんと?」

「みぃちゃんには葵が居る事は分かってるよ。葵とだよ。でもみぃちゃんとも仲良くなりたいな」

「仁は、大丈夫だと思う。でも最初が肝心だからね」

「最初?」

「みぃちゃん、人を良く見てるから、自分に悪意があるかないのか見極めるよ。まぁ、葵の知り合いってのはかなりプラスだけどね」

「楓もだった?」

「俺は色々ある直前に葵の友達として出会ったから、結構すんなり受け入れてくれたよ。だから仁も大丈夫……だと思う」

「その間が怖いよ」

二人のボソボソと喋る会話は俺には聞こえたけど、葵とみぃには聞こえてないだろうな……
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