俺たちの妹・2
「さ、みぃも落ち着いたかな?じゃぁ検査していこうか」

「うん」

そう言って、葵に手を引かれて、椅子からゆっくり立ち上がったみぃ。

「何からするの?」

「まずは血液検査」

「…………はぁい。つーくんがしてくれる?」

嫌なんだろうけど、嫌がる素振りは見せない。

「前園さんがしてくれるよ」

俺の言葉にホッと胸を撫で下ろしたみぃ。

検査室に入ると、前園さんが既に待っていた。

「みぃちゃん、こんにちは。ここに座ってね」

「由奈さん、こんにちは」

挨拶を交わした二人。

みぃは椅子に座り、前園さんはテキパキと採血の用意を始めた。

「3人とも、しっかり見ておいてね。前園さん、ほんと上手いから」

「「「はい」」」

俺の言葉を聞いて、みぃの周りに群がる3人。

「山内先生だって上手ですよ。ね?みぃちゃん」

「うん、つーくんも由奈さんも痛くないよ」

「俺もみぃにそう言われるように頑張らないとな〜」

葵は、前園さんの手元をしっかりと見ている。


みぃの細くて薄い血管を探し出して、スッと針を刺した。


「今日はちょっと本数が多いからね。頑張ってね」

「うん」

そう言って用意された本数は5本。

色々検査に出したいから仕方ないんだけどな……
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