俺たちの妹・2
「葵、ありがとう」

「ふふ。朝からいい言葉もらっちゃったな」

「え?」

「みぃの笑顔と『ありがとう』って言葉。俺にとっては何より嬉しい事だよ」

「そうなの?私、葵に何もしてあげれてないよ?」

「みぃはそんな事気にしなくていいの」


みぃの元気な姿が見れるだけで俺は嬉しいから……


みぃの頭を優しく撫でる。

胃腸炎のおかげで、少し痩せてしまったみぃは、また体重を戻す大仕事が残ってる。

無理しないように気をつけないとな……


「今日は何限目まで?」

「4限だよ。みぃは?」

「私も4限。一緒に帰れるね」

「だな。とりあえず、お昼はいつものところな?」

「うん。葵、頑張ってね」

そう言って、みぃは講義室へ向かった。





みぃの歩いている先を見つめていると、

「はよ、葵」

楓がやって来た。

「楓、おはよ」

「みぃちゃん最近体調いいな」

「この前まで胃腸炎で辛そうだったから、少しは平和に暮らしたいな」

「胃腸炎だったのか……」

「あれは、見てる方も辛いな……みぃの場合、どんな症状でも耐えようとするから、こっちが汲み取ってあげないとだから……」

「みぃちゃん……早く葵や俺らが診てあげられる様になりたいな」

「そうだな……」

ここには、医者希望者が沢山いてるから、俺の気持ちを分かってくれるヤツもいるんだ……
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