俺たちの妹・2
「ちょっと……ハァ……葵っっ‼︎ ハァ…待って……ど、したのっっ‼︎」

みぃの手を握ってどんどん歩みを進めているうちに、歩くペースが早くなってたみたいで、みぃの声でようやく我にかえった。

手を握った先に目をやると、息を切らしたみぃがいた。

「みぃっっ‼︎ ごめん……俺……」

「ハァ……ハァ……だ、いじょ…ぶ」

息を整えようと必死なみぃ。

みぃにこんな事させてしまうなんて……

自分の気持ちにいっぱいいっぱいで、我を忘れるなんて最低だ……

「ハァ……ハァ……ハァ…」

みぃの息遣いがやけに響いて思わず俯く……




「あおい………」

暫くして、みぃの声が響いた。

「葵、私を見て?」

みぃの言葉に視線を上げる。

みぃはにっこり笑っていた。

「葵、イヤな思いしちゃった?」

自分の事には疎いくせに、人の気持ちには敏感なみぃには、俺の気持ちはバレていた。

「………………」

「大丈夫。私はどんな葵でも大好きだから」

どんな俺でも受け入れてくれるというみぃ。

こんな醜い感情を持った俺は、ダメなやつだよ……

「………私はね、葵にいつも助けてもらってるし、安心感も貰ってるの。そんな大切な存在の葵をキライになる理由なんてないよ?」

「………俺の」

「俺の?」

「俺の知らないヤツと楽しそうにしてたから……」
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