俺たちの妹・2
「でも会いたんじゃないの?美晴、言ってもいいんだよ‼︎ 美晴も葵に会えないと寂しいだろ?」

ひな兄は、私の心にしまっておいた感情を引き出そうとしている……

「大丈夫。連絡は毎日くれるから」

「…………その連絡で、美晴は本当の事を言ってる?」

「え?」

「心配掛けたくないからってウソの事言ってない?」





図星だった…………


「……………………」

少しくらい怠いくらいだったら心配掛けちゃうし、『元気だよ〜』って言ってる。

「みぃの本当の気持ちは?」




「邪魔はしたくないけど、会えないのは、やっぱり寂しいかな……」

「ふふ、よく言えました」

頭を撫でてくれながら言ってくれたひな兄の言葉に、なぜか涙が溢れ出してきちゃって……


「泣かない泣かない。泣くくらい寂しいなら正直に言わないと」

「だって……迷惑……」

「迷惑だなんて誰も思ってないよ。もちろん葵もね」

「さ、美晴の本音も聞き出せた事だし、葵の家にでも行こうか」


「へ?」

「寂しいんでしょ?自分の気持ちに素直に会いに行ったらいいんだよ」

「でも勉強してるから……」

「もし勉強中なら帰っておいで?」




ひな兄の後押しに押されて、葵の家の前まで来ちゃった……


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