俺たちの妹・2
インターホンを押す為に伸ばした手が震える……


やっぱり怖いよ……



「あれ?もしかしてみぃ?」

後ろから声がして振り返ると、みなくんがいた。

「…………みなくん」

葵とそっくりな声で私の名前を呼んでくれている。

「葵に用事?」

「…………えっと…」

「ん?どうした?」

葵と同じ優しい声になんだか安心しちゃって……

涙が溢れる……

「ちょ、ちょっとみぃ。泣くな、泣くなっっ」

みんな私の涙を見るとどうして焦るんだろう……

「ご、めんなさい……」

涙を止めようと目を擦ると、その手を掴まれた。

「目はこすったら赤くなるからダメだよ。とりあえず、うちに用があるんでしょ?入ろう」

そう言って、家に招き入れてくれた。


「ただいま〜」

「おかえり〜。湊今日は……って、みぃちゃん?どうしたの?」

「家の前にいたから、連れてきた」

あっけらかんというみなくんに、葵のママの春子ママは苦笑い。

「うちに用事あったの?」

「…………あ、おいに」

「そうなのね。とりあえず二人とも入りなさい」


春子ママは、にっこり笑って招き入れてくれた。
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