俺たちの妹・2
「お邪魔します」

「どうぞ」


久しぶりの葵の家だ……


リビングのテーブルに座るように促されて、座った。


コト……

お茶を出してくれて、私の向かいに座った春子ママ。

「ありがとう」

「いいのよ。それより葵と何かあったの?」

「ううん…何もないよ。いつも私の事気にかけてくれてるから、葵に愛想尽かされないか心配なくらいかな……」

「そんな心配しなくても大丈夫よ。葵はみぃちゃんしか見えてないから」

にっこり笑うと春子ママは、後ろの棚から、一冊のアルバムを出してくれた。


「葵とみぃちゃんの小さい頃の写真よ」

そう言って見せてくれたアルバムには葵と私の二人の写真が貼られていた。


私は今よりももっと体が弱くて、お出かけなんてできないから、家の中や、お庭や近くの公園で遊んでいるものくらいしかないけれど、沢山貼られていた。

「葵は、この時からずっとみぃちゃん一筋でね……私やパパに今日はみぃちゃんが公園にいてるから、絶対写真を撮ってねって声をかけてから、遊びに出掛けるくらいだったのよ」

「…………知らなかった。」

「だから、葵とみぃちゃんの事をずっと追いかけてきた私も、二人が幸せになって欲しいって思ってるのよ」
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