俺たちの妹・2

葵side…

「今日はちょっと遅くなったな……」

最近日課になっている図書館通いの後、本屋に寄ったら意外と遅くなってしまった。

急いで家路に急いだ。


「ただいま〜」

玄関を開けるとリビングから賑やかな声が聞こえてきた。

誰か来てるのかな?……

そんな事を思いながらリビングへ足を進める。



カチャ……

「ただいま……え?………みぃ?」

リビングの光景を見て驚いた。







みぃとひな兄が俺の家族と楽しそうに食卓を囲んでいたから……


「あ……葵……おかえり…」

みぃは、はにかんだ。


「みぃちゃん、薄情な子はほっておいていいのよ」

「え……」

母さんは怒ってる感じだった。

俺、母さんの機嫌損ねてるかも……


ヤバいな……


「最近あまり母さんと話してなかっただろ?母さん機嫌わるいよ」


兄貴が俺に耳打ちした。


マジか〜……

勉強とはいえ、少し母さんに構わなかったもんな……

参ったな……




「葵、春子さんのご機嫌取っとけよ」

ひな兄は、キッチンに行くついでに俺に耳打ちした。

とりあえず俺は、カバンを自分の部屋へ置いて、再びリビングへ向かった。


「みぃ……」

そっとみぃに声を掛けると、

「勉強お疲れ様。捗った?」

みぃは普通に聞いてきた。

「あぁ。結構捗ったよ」

「そりゃ、彼女も母親もほっておいて勉強してるんだもの。捗らない訳ないわよね」

< 543 / 612 >

この作品をシェア

pagetop