俺たちの妹・2
みぃは、ゆっくり椅子から立ち上がった。

今のところふらつきはないけど、早くしないと症状が出てくるだろうな……

ビタミン剤と、貧血を抑える点滴を用意する。


葵がそっとみぃを支えて、診察室を出た。

点滴室まではそんなに距離はないから、大丈夫かな……

でも、大学通うの昨日の時点でやめといてもらって良かった……

点滴室に入ると、数人の患者さんがいたものの、少なかった。

みぃと葵は一番奥のベッドの側にいた。

「みぃ、ベッドに横になって、腕捲ろうか」

俺の言葉に素直に従うみぃ。

みぃの細い血管に点滴針を刺す。

「よし、大丈夫。点滴終わるまで一時間くらい掛かるからね。ゆっくりしてていいよ」

「つーくん、ありがとう」

「ゆっくり休んでな」

俺の言葉にゆっくり目を閉じた。



暫くしてみぃの寝息が聞こえてきて、葵が俺の側にやって来た。

「みぃ、どうですか?」

「う〜ん……あまりいい状態じゃないかな……」

「最近、検診でもあまり良くないですもんね……」

「極端に悪くなってたら、様子見で入院してもらいたいんだけど、徐々にだから、なかなか踏み切れなかったんだよ」

「そうだったんですね……」

葵は、みぃに視線を向ける。

「この季節喘息も怖いから、要注意だよ。でも今のみぃの場合、貧血を抑えるのが先だな……」
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