俺たちの妹・2
点滴が終わり、司さんと別れた。

駐車場まで、二人で手をつないで歩く。


「みぃ、今日ひな兄は帰ってくる?」

「えっと……夜勤だったはずだよ」

ひな兄、夜勤か……

「俺、今日みぃの家泊まってもいい?」

「へ?」

ポカンと口を開けているみぃも可愛い。

「点滴受けたけど、ちょっと心配で……」

「でも、葵に悪いよ」

「もし、発作や過呼吸になって、みぃが一人で苦しんでるよりはいいから……」

俺の言葉に、思い当たる節があったのか、発作の怖さを思い出したのか、ビクッと肩を震わせた。

「いつも一緒にいれる訳じゃないから、居れる時は一緒に居たいしさ」

みぃは、俺の言葉を聞いて、嬉しそうに笑った。

「私も葵と一緒に居たい」

「それじゃぁ、決まりね」

「うん……でも、もし発作が起きて、迷惑掛けちゃったらごめんね……」

「迷惑じゃないから。一緒に居れば良かったと後悔するくらいなら、一緒に居たいし」

「葵……大好きっ」

突然みぃが俺に抱きついてきた。

「おっと……ふふ。俺もみぃの事大好きだよ」

そう言って、頭を撫でた。




この時は、普通の幸せをかみしめる事が出来ていた。
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