俺たちの妹・2
「みぃ、病院へ行こう。司さんもひな兄もいるから」

俺はみぃの答えを聞かず、エレベーターから車へ移動した。

助手席にみぃを座らせて、車を発進させる。

ゴホゴホッ…ゴホゴホッ…ゴホゴホッ…ヒューッ…ゴホゴホッ

まだ、発作は治らない……

「みぃ、お願いだから、意識は保っててっ」





しばらくして、病院へ着いた。

俺は、救急外来の前に車を停めて、みぃを抱えて、急いで走った。


「「葵っ‼︎」」

司さんと樹さんが、待ち構えて居てくれた。

2人を見て、一気に安心感が押し寄せた。

用意されていたストレッチャーにみぃを乗せると、樹さんが処置室へ急いで運ぶ。


「いつから?」

「30分前です」

「吸入は?」

「発作に繋がってからです」

「吸えてるか微妙だな…」

「熱は?」

「計ってないですが、抱き上げた時は感じなかったです」

「分かった。ありがとう」

司さんも処置室へ向かった。



1人になった途端、手足がガクガク震えだした……

「っっ…みぃっっ…」

俺は、処置室を見つめることしか出来なかった……


医学生になったからって出来ることなんて、いつもと変わらなかった……

無力さを感じずにはいれなかった。
< 563 / 612 >

この作品をシェア

pagetop