俺たちの妹・2
暫くすると、ストレッチャーに乗せられたみぃが小林先生によって運ばれてきた。

「発作、30分は続いてるみたいだ」

結構長いな……

「酸素用意して。発作止めの注射と血圧、体温計ってっ‼︎みぃちゃん、分かるかな?」

小林先生は指示を飛ばしながら、みぃの意識確認もしている。

「………ん」

小林先生に呼びかけにいい反応を示さないみぃ。

酸素を付けて、発作止めの注射をする。

処置を続けていると、司さんも側にやってきた。

「体温、38.5です」

「葵が運んできた時は発熱感じなかったって。でも発熱もしてきたんだな……解熱剤入れよう」

司さんは少し考えながら言葉を発した。

解熱剤も点滴に入れる。

今熱が上がると、発作の時に体が苦しくなるし、できれば早く下げてあげたい。

治療を続けながら、美晴の様子を見る。

「美晴?分かったら手を握って」

美晴の手を握りながら声をかける。

美晴の小さな手は反応を示さない。




「意識混濁か……チアノーゼも出てきてる。挿管した方がいいな」


俺と美晴のやり取りを見て、素早くみぃに挿管をした樹さん。

救急外来では、挿管する事は日常茶飯事だからな…

「チアノーゼ出始めてて、酸素じゃ間に合ってなかったな……症状落ち着くまでここで様子見ておくよ」
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