俺たちの妹・2
「日向は医者としてしかできないことをやればいいんだからな」

「はいっっ」

小林先生の言葉は嬉しかった。



俺はそれから時間を見つけては美晴のそばに行き、状態を把握した。

「みぃ……早く目を覚ませよ……
兄貴も葵も落ち込んでるからさ……」

まだ発熱の続く熱い美晴の手を握る。

「…………ん」

「美晴?みぃっ‼︎みぃっ‼︎」

俺の声に反応して、薄っすら目を開けた美晴。

パチリ……パチリ……

美晴はゆっくり瞬きを繰り返した。

「良かった……」

美晴の意識は5日後にようやく戻ってきた……

美晴は目を動かして、ぐるりと周りを見渡した。

自分の置かれている状況がわかったみたいだった。

「みぃちゃんっっ‼︎目が覚めたんだね。良かった…5日間も眠ってたんだよ。どこか苦しいところや辛いところあるかな?」

小林先生の問いかけに自分の口元を指差した美晴。

「呼吸がしやすいように付けたんだ。もう、自分で呼吸出来そうかな?」

美晴はコクリと頷く。

「じゃぁ、取るね。取れた後はゆっくり呼吸だよ。取るよ〜」

小林先生は、美晴に挿管されていた管を抜いた。

「コホコホッ、コホコホッコホコホッ」

「ゆっくり息してごらん大丈夫だから…」

「コホコホッ…スー…コホコホッ…ハー…スー…ハー…」

「よし、大丈夫そうだね。みぃちゃん発作を起こしたのは覚えてる?」
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