俺たちの妹・2
新の相手はみんなに任せて、俺はキッチンへ向かう。

「兄貴、葵。俺も手伝うよ」

「日向、助かる。そしたら、これ火にかけて煮込んで」

兄貴に手渡された鍋の中には、ビーフシチューが入っていた。

「さっきの荷物の中身はこれだったんだね」

「ふふ、そうだよ」

俺たちの会話を聞いて葵が鍋の中を覗き込んだ。

「俺、かな兄のビーフシチュー好き」

「嬉しいな。沢山食べろよ?」

「ありがとう」

葵は嬉しそうに笑った。


リビングからは、新の喜んでる声が聞こえてきた。

「新、沢山遊んでもらってるみたいだな」

「女の子は結構子ども好きだったりするからね」

葵の言葉にリビングを見ると

新と遊んでいたのは悠斗と楓だった。

「遊んでるの、悠斗と楓だよ」

葵に伝えると

「え?……ほんとだ。男2人が新に遊ばれてる」

葵は2人の姿を見て笑った。

「ま、こんな風景も楽しいな」

「美晴が戻ってきてこその風景だもんな」

俺も思わず兄貴の意見に同意した。


リビングでも新に遊ばれてる2人を見てみんなが笑ってる光景がそこにはあった。

まさに、幸せを感じる瞬間だった。

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