俺たちの妹・2
「葵、おはよ」

楓が声をかけてきた。

「楓、おはよ」

「勉強進んでる?」

「まぁ、それなりに……」

「葵はやってそうだよな〜」

「そう言う楓もやってるだろ?」

「そりゃね。これ突破しないと何も始まらないしな」

「だよな」

「みぃちゃんは最近どう?」

「うん、落ち着いてる」


「それは良かった。居候し始めたって聞いた時は驚いたけど、今ではすっかりそれが普通だもんな…」

「ひな兄が居てくれるから、何かあっても頼れるのは心強いよ」

「そりゃ医者がそばに居てくれたら心強いよな」

「俺たちも数年後にはそうなれるのかな……」

「なるんだよ。みぃちゃんの支えに。その為に今頑張ってるんだろ?」

「あぁ」

楓と話していると、不安な気持ちも前向き思考に変えてくれる。


「ま、何かあってもさ…葵だから大丈夫って思ってるよ。俺は……」

「はは、その言葉そっくりそのまま楓に返すよ」

「俺、そんな優秀じゃないだろ? 」

「優秀とかじゃなくて、気持ちの問題だよ。そこもクリアしないと潰れちゃうだろ?」


医学生は何かと大変だった……

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