俺たちの妹・2
美晴side…
葵の不意打ちに焦った。
気づいたら葵の顔が目の前にあって……
ドキドキが止まらない……
少し落ち着いてからリビングに戻る。
ひな兄は、ニヤッと笑って
「葵に何かされたの?」
「っっ‼︎ な、なにもされてないっ‼︎」
「ふふ、それならいいんだけど」
ひな兄はなんでもお見通しだ……
なんだか恥ずかしくなって、家を早めに出る事にした。
「わ、私もう行くね」
「一緒に行こうよ。俺も仕事だし、ボランティア中にしんどくなるのは困るでしょ?」
「で…でも」
「ごめんごめん、もうからかわないからさ」
ひな兄はさっさと用意を始めた。
………送ってもらおう
体力に自信のない私にとってはありがたい事だしね。
大学を辞めてから週2回……
病院でのボランティアに行っている。
みんなに楽しんでもらいたくて行っているボランティアだけど、子ども達の笑顔に私の方が元気をもらう事もある。
「お待たせ、行こうか」
ひな兄は、用意を終えて玄関に向かった。
「うん。ひな兄ありがとう」
「俺も病院へ行くし、可愛い美晴の為だからね」
ひな兄の言葉に心が暖かくなった。