俺たちの妹・2
「じゃぁ、何かあったら側に居る看護師に言うんだよ」

「はぁい」

「帰りは葵が迎えにきてくれるんだよな?」

「うん。そうだよ」

「勝手に帰っちゃダメだよ」

「うん。ひな兄お仕事頑張ってね」

「頑張ってくるよ」


ひな兄はやっぱり心配性だ。

まぁ、そうさせてる張本人は私なんだよね……

申し訳ない気持ちがこみ上げてくる……


それでも、やりたい事をやらせてくれるひな兄は優しい。



小児科にあるプレイルームへ向かう。

「あ、みぃお姉ちゃんだ〜‼︎ 」

私の姿を見つけて、男の子が声を上げた。

「おはよう、優太くん。今日は体調いいの?」

「おはよう、みぃお姉ちゃん。うん、昨日はダメだったんだけど、今日は良くなったよ」

元気に答えてくれる優太くんだけど、車椅子に乗っていて腕には点滴……

心臓の病と闘っている……

小さな身体で一生懸命頑張っているんだ。


「みぃお姉ちゃんおはよ」

私の手を引いたのは、渚ちゃん。

渚ちゃんは、私と同じ小児喘息を患っている。

「おはよう、渚ちゃん。調子戻ったのね」

「うん、もう良くなったよ」

ここに居てる子達は、元気そうに見えても、何かの病気と闘ってる子達しかいない。

気分が優れない子や、体調が悪い子は、病室から出る事を許されなくて……

やっと出れてもまた病室に逆戻りの子もいる……

そんな、僅かな時間に少しでも楽しい事をするのが今の私の役割。
< 595 / 612 >

この作品をシェア

pagetop