俺たちの妹・2
優太くんのお母さんは、暖かい言葉をくれた。

「次みぃちゃんが来てくれる時にはもっと元気になるって言ってたから、大丈夫よ。みぃちゃんも体調気をつけてね」

「ありがとうございます。優太くんが元気になる事祈ってます」

「みぃちゃん、ありがとう」

私の存在が役に立っていて嬉しかった。

優太くんの病室をそっと出た。




プレイルームへ戻ると葵が子ども達と遊んでいた。

「葵、おまたせ」

「みぃ、体調変わりない?」

「うん、平気」

葵は私の視線に合わせて聞いてきた。

「…………そろそろ帰ろうか」

「うん。みんな、また来るね」

「「「みぃお姉ちゃん、ありがとう」」」

子ども達は笑顔で見送ってくれた。


「みんな笑ってたね」

「うん。みんな小さい頃から入院して大変な思いしてるのに、笑ってくれるの。私も頑張らなきゃね」

「かな兄から頼まれてる書類があるんだろう?」

「うん。目を通して欲しいって言われたの」


退学して少しの間、かな兄一家も一緒に住んでくれていた。

その時に沢山の書類を持って帰ってきてて……

リビングで書類を広げて仕事してたんだけど……




バサバサバサ〜

突然、あっくんがリビングで書類をひっくり返した。

「あ、こら〜っっ‼︎ 新ダメじゃない」

彩さんは慌ててあっくんを抱き上げた。

かな兄と私は苦笑しながら書類を拾い集める。

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