俺たちの妹・2
書類に目を通すうちに、今まであまり知らなかった会社のことが少しずつ分かってきた。

やっぱりうちは、大きな会社だって事を改めて実感したし、取引先も大手や海外もあって……

パパとママ、かな兄が今は頑張ってくれてるおかげなんだと分かった。

私の存在が仕事の邪魔にならないといいな……

みんなへの負担を減らしたい。

今の私には、なかなか力になる術がないから……


家族のみんなはそれでもいいって言ってくれるだろうけど、私もいつまでも甘えてちゃダメだしね……

少しずつでも出来ることが増えるといいな……


そんな事を考えながら、かな兄から預かった書類に目を通した。




「みぃ、どう?進んでる?」

葵が部屋に入ってきた。

「うん、もう少しで終わり」

葵は終わるまで部屋で待っててくれた。

「お疲れ様。後でかな兄来るんだろ?」

「うん、書類取りに来るって。ついでに彩さんとあっくんも連れて来てくれるから一緒にご飯するって」

「良かったな。今日は賑やかだ」

「葵が来てくれてから賑やかだよ。一人じゃないし」

やっぱり一人は寂しいんだよね……

葵は私の表情から、気持ちを読み取ったみたいで……


「みぃ。寂しい時は教えて?みぃには寂しい思いはして欲しくないから…」

「でも迷惑でしょ?」

「我慢してる方がダメだよ」

「…………わかった」

こういう時の葵は引かないからね。



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