俺たちの妹・2
暫くして新が食べ終わり、みぃの側にまとわりつき始めた。

「みぃ〜。あそぼ」

「新、まだみぃは途中だから後でな」

「やだ〜。みぃ〜」

最近自我が出始めた新は自分のやりたい事に忠実だ。

「うん。あっくん遊ぼうか」

そっと席を立とうとするみぃの腕を葵が引っ張る。


「みぃ、最後まで食べなきゃダメ」

「でも、あっくんが……」

「新も待つ事覚えるから」

「でももうお腹いっぱいだよ?」

「食べた量、いつもより少ないだろ?具合悪いの?」

いつになく葵は食い下がる。

日向に視線を向けると、コクリと頷いたので、俺が知らないだけで、一緒に住み始めてからはいつもこうなんだろう……


「新〜。フルーツあるからこっちおいで」

「ひぃ〜。たべるっっ」

日向はフルーツで新をみぃから離れさせた。

「後少しだけでも食べよう?」

「……うん」

みぃは渋々食べ始めた。


暫くして

「もう、無理……」

みぃの声が聞こえた。

見ると、お皿はほぼ空っぽ。

「頑張ったね」

葵は、にっこり笑ってみぃの頭を撫でた。

……所謂、飴と鞭だな。

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