俺たちの妹・2
「みぃちゃんはどう?」

俺を見つけた彩は新を寝かせつけながら聞いてきた。

「まだ、発作治ってなくて、発熱も始まったから、病院行くかも……」

「そっか……」

「大丈夫だよ。みぃは元気になるから。な?」

「うん。また新と遊んでもらわなきゃね」

「そうだな。ちょっと頼まれごとあるから用意するな」

それから俺はゴミ袋に新聞紙を詰めて、桶に水を入れてから濡れタオルを用意した。

「ケホケホッ、コホコホッ、スー、ケホケホッ、ハー」

部屋に戻ると発作は少し治っていた。

みぃの腕を見ると、点滴が刺さっていて、点滴薬で抑えたんだろう……

「兄貴、ありがとう」

「みぃ、熱は?」

「ん〜8度3分。今日まで無理してた感じはなかったから、もしかしたら、病院で何かもらってきたかも知れないな……」

「そっか……袋いる?」

「助かった。ここに常備してたの切らしてて」

日向は苦笑い。

葵は、濡れタオルをそっとみぃのおでこに置いた。

「ん……」

冷たかったのか、少し身じろいだけど、気持ち良さそうな表情になった。

「ひな兄、みぃ吐き気ありそう?」

「さっき顔色悪かったんだよ。でも少しマシになってるから、ないかもね。起きてみないと分からないけど……」

「そっか、俺、もう少し袋用意しておくよ」

そう言って葵は、部屋を出て行った。
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