俺たちの妹・2
正直あの時の事は曖昧にしか覚えていない……

とりあえず午前中までは頑張らなきゃって思いだけで、過ごしてた気がする……


「多分自然にしていいって言われたから、みぃの記憶にはあまり残ってない出来事だったのかもな」

葵は苦笑していた。

「あ、俺持ってる」

そう言って、カバンをゴソゴソし始めた楓くん。

「これ‼︎」

その手の中にあったものは写真で、そこに写っているのは、アリス姿をした私と、制服姿の葵がいた。

「………初めて見た」

私のつぶやきに、楓くんは驚いていた。

「そうなの?結構学校内では有名だったんだけどな……」

「私、何故か噂とかあんまり耳に入らないんだよね……あまり友達いないし……」

楓くんは葵を見た。

葵は困ったように頷いた。


「私と友達になりたいって言う人は珍しいのよ。楓くんも高校一緒なら知ってるでしょ?私の体調の事。
そんな体調不良ばかり起こす人と付き合いたくないって思うのが普通よね……」

自分の事を話しているのに、何故か他人事の様に感じてしまう…….
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