俺たちの妹・2

美晴side…

葵と楓くんがランチを買いに行って暫くすると、さっきの3人が戻ってきた。


違う席に移動したのかと思ってた………


「あら?葵くんは?」

「…………お昼ごはん買いに行ってます」

「あなたの分も?」

「…………はい」

「…………あなた、葵くんの好意に甘え過ぎなんじゃない?」

私の言葉を聞いて、眉間にシワを寄せた深山さん。

「…………そうかも知れません。葵は優しいから、つい甘えちゃってます」

「ほんと図々しいわよ。葵くんは誰にでも優しいの。勿論私にもね」


ズキン……


分かっていた事だけど、直接言われると結構来るなぁ………

「葵くんは学校でも学部内でも凄い人気なのよ。先生方からの信頼も厚くて、素晴らしい人よ。
それなのに、葵くんに甘えっぱなしのあなたと付き合っていたら、葵くんの評判が落ちるわ」

「………………」

「葵くんにはもっと優秀な人がお似合いよ」

私は言い返す言葉が思いつかなかった。

葵は何も言わないけれど、深山さんの言う通りなのかも知れない。

大学生になって、更に格好良くなった葵は、私なんかよりもっとお似合いの人がいるかも知れない。
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