俺たちの妹・2
「…………みぃちゃんはどう思ってたの?」
楓くんが少し面白そうに聞いてきた。
「えっと………嫌いな食べ物がトマトで、好きな食べ物は……特にないんだと思ってた」
「特にないって?」
「あ、言い方変だったね。
トマト以外なら、何でも美味しく食べれるって事。
でも深山さんは、葵はトマトが好きって言ってたから、変わったのかもしれないね。葵トマト食べれる様になったんだ」
そう笑いかけると、葵は、笑って
「ん?トマトは今でも苦手だよ」
と答えた。
「「「「え?」」」」
「でも、他の人にはバレない様に頑張ってた。みぃは、小さい頃から俺の事知ってるから、俺の頑張りはみぃの前では無駄だから、食べてなかったと思うよ」
「…………そっか、葵も頑張ってたんだね」
「みぃの頑張りに比べたら俺の頑張りは些細な事だよ」
葵はにっこりと微笑んでくれた。
ガタッ
突然立ち上がった麗奈さんは
「………それでも私は、葵くんの事を入学してからずっと見てました。
大学生活の事は私の方が詳しいわ」
そう言って、私達の元を去って行った。