俺たちの妹・2
暫くして、顔を上げると吐き気はあるものの、深山さんの姿は見えなくなっていた。


机に手をつき立ち上がろうとすると、視界が揺れた……

何とか倒れずに椅子に座り直せたけど……


時間の問題かもしれない……


とりあえず、この吐き気をどうにかしたい………


「………みぃちゃん?」


突然誰かに声を掛けられたけど、顔をあげれなくて誰なのか確認できない。

「どうしたの?」

私の視線まで下がってくれた人は楓くんだった。


知ってる人を見て安心したのか、目に涙が溜まってきた………


「っちょっ、みぃちゃん⁉︎どうしたの?」

楓くんは突然涙を浮かべた私を見て焦ってる。


「…………て」

「え?」

「少し……気分が、悪くて………」

私の言葉を聞いた瞬間楓くんの顔つきが変わった。


「気分悪いの?」

小さく頷く………

「吐いちゃいそう?」

また小さく頷く。

「……分かった。トイレまで行けそう?」


フルフル首を振る

「………分かった」
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