俺たちの妹・2
「とりあえず病院へ急ぐよ。
みぃちゃんも辛そうだし……」


みぃを見つめながら考えていると、楓が車のスピードを上げだした。

俺の腕の中にいるみぃは小さく震えていた。


「みぃ?吐きそう?」

小さく頷いたみぃ………

「車の揺れで酔ったかな……」

体を起こして、俺にもたれ掛けさせて、ビニール袋をみぃの口元に添えた。

ケホケホッ……

みぃが咳き込み出したので、ゆっくり背中をさすった。

ケホケホッ……ケホケホッ……

オェ…オェェェ………ヒック…ケホケホッ……ケホケホッ……

ヒック…オェェェェ………


車の中には、みぃの咳き込みと辛そうな音が響いた。



ハァハァ、ハァハァ、

「ご、めん、ね……」

みぃの謝罪が辛いな……


「みぃちゃん、気にしなくていいよ。辛い時はお互い様。
もうすぐ病院に着くから、楽にしてもらおうね」


楓の言葉を聞いて、みぃは救われたと思う。

ずっと側にいる俺が言ってもあまり意味がない言葉をサラッと言える楓は、優しさに溢れている人だった。


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