君にグッバイ
プロローグ
人にはそれぞれ得意不得意があって、それが運動だったり勉強だったりと個人によって違いがあり、私の場合はそれが恋愛だっただけのこと。
そういう感情に疎いのは前々からわかっていたことで、最近はそんな自分に嫌気が指す。
自分だけ、でも他人には絶対に見えないような、そういう感情のバロメーターがあればいいのに。
そうすれば、アイツを好きにならずに済んだかもしれない。
もしくは、それを未然に防げたかもしれないというのに。
というのも、長年幼馴染の夏樹に抱いていたらしい感情をようやく自覚してしまったからだ。
……やっぱり恋なんて嫌いだ。
自覚してしまったら、どうしてこんなにも辛くなるのだろうか。