冷蔵庫サイドストーリー
「そうだよ」

「ただ……出るだけ?」

「うん。だって光が出る人募集なんだよね?」


シグマは無邪気に顔をほころばせた。

確かにそうだが、それは「光=消す」だと思っていたからだ。

僕は現場を見ていないから、佐田から聞いた話だけでしかないのだが「光が出てすぐに消えた」のではなかったのか?


「ちょっと待ってて」


僕はポケットから携帯電話を取り出し、隣の部屋にいる佐田にかける。


ソファー横のカウンター上に置かれた花瓶に隠された、小型カメラの方にちらりと目をやり、立ち上がる。


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