冷蔵庫サイドストーリー
「光は確かに覆面と同じ物だったんです。会長救出の何か手掛かりに繋がるような気はするんですよね」


受話器から聞こえる佐田の声は、あまり落胆している様子がない。

少なくとも僕程は。


「とりあえず……」


光を出せる者が見つかったら、それで全てまるっと解決だとは思ってはいなかったが、ただ光が出るだけで、消す事はできないだなんて、ふりだしに戻った気分だ。

思わず深いため息が出る。


「エサが足りないみたいだから、何か持って来させてくれ」


ジュースを飲み干し、部屋の奥にある冷蔵庫をじっと見つめるシグマを見ると、ますます深いため息が出そうになる。


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