冷蔵庫サイドストーリー
窓を開け、たった今さっきシャッターを切った太めの男に手招きをした。

わざわざ大きな声を出したくないからだ。


「僕は一般人だから、その写真を無断で使うような事はないだろう? 使ったら多額の金を注ぎ込んで何がなんでも訴え、そして確実に勝つ」


カメラマンはふてくされた顔でカメラの背を開け、渋々そのフィルムを差し出した僕の手の上に乗せた。

女性なら誰でも知っているメリア
僕のこの美しさ
お家騒動

どれを取っても女性が食いつきそうな内容だ。

週刊誌は女性を引き付ける内容で構成されているんだから、僕みたいなのは恰好の餌食という訳だ。



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