そんなに見ないで、
新しい生活が始まる
今日から入学する学校は魔法に目覚めてしまった子ども達が、能力を安定して使うことが出来るようになるための学校だ。
去年のクリスマス、机の上に封筒が一通置いてあった。
いつもは下の階のメイド達が直接渡しに来るのに、今日は机に置かれている封筒を見て私は不気味に思って、すぐに専属護衛を呼んだ。
専属護衛の彼は話を聞くとスタスタと封筒の元に歩いていき、手紙を破り開けた。
中には「日本魔術活用推奨学校 入学のお知らせ」と大きな字で一枚入っていた。
二人が読み終わるころには、小さな花火がぽんっと鳴って煙が出た。
煙の中から優しそうな顔をした白髪のおじいさんが背筋を伸ばして、杖の頭で手を合わせてニコニコしていた。
「千種 麗(ちぐさ れい)くん、君には皆にはない素晴らしい能力がある。
それを是非、今後のために私の学校で学んでほしい。
学校で必要なものはクリスマスプレゼントとして明日届けよう。
来年の春、入学式で会おう。
荷物の中にある銀色の靴を履いて「学校へ。」と言えば来れるからね。
待っているよ。」
おじいさんは言い終えると、手を大きく広げ、手を打ち合わせると煙が消えておじいさんも消えた。